Waves Enterprise ホワイトペーパー – March 2020

Waves Enterprise の “[WHITE PAPER/March 2020] Enterprise-grade hybrid blockchain platform” の日本語翻訳です。

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イントロダクション

Waves Enterpriseは、パブリックネットワークとプライベートネットワークのアプローチを統合するハイブリッドエンタープライズブロックチェーンプラットフォームを開発するために設立されたテクノロジーカンパニーです。当社のテクノロジーは、企業が実用的なブロックチェーンソリューションを作成し、既存のITインフラストラクチャに統合することを可能にします。そして、リソースを大量に消費する企業ブロックチェーンフレームワークの信頼できる代替手段を提供します。

このプラットフォームは、高可用性と高トランザクションスループットの実現と共に、デプロイ、外部ITソリューションとの統合と管理の容易さ、そしてデータのプライバシーを促進します。Dockerコンテナで実行されるコンテナ化されたスマートコントラクトにより、ユーザーは任意のプログラミング言語で記述された複雑なビジネスロジックを実行できます。Waves Enterpriseテクノロジーをベースとする大規模プロジェクトは、認定されたインテグレーションパートナーを通じて実装されます。

Waves Enterprise メインネットは、プラットフォーム上のすべてのトランザクションのセキュリティを保証するパブリックLPoSネットワークであり、カスタムサイドチェーンのグローバルアービター(決定者)およびリファレンスネットワークとして動作します。企業、サービスプロバイダー、および分散アプリケーションを単一のトラストレスで安全な形状に統合し、さまざまなビジネスタスクを解決するためにパブリックブロックチェーンの利点を活用しやすくします。

サイドチェーンは、メインネットから独立したブロックチェーンインフラストラクチャの作成を容易にします。企業の目的、現地の暗号通貨の標準、規制当局の要件に基づいてカスタマイズできます。このテクノロジーは、限られた数の参加者がいるプライベートおよびパブリックインフラストラクチャの作成、またはデータがハッシュサムとしてメインネットに安全に保存されるハイブリッド構成の作成に使用できます。

Waves Enterprise System Token(WEST)は、すべてのメインネットオペレーションの支払いのためのトークンとしてだけでなく、価値移転の手段としても機能します。

Waves Enterprise メインネット

Waves Enterpriseテクノロジーはモジュラーアプローチに基づいており、既存のITインフラストラクチャへの統合を簡単かつ比較的高速に行うことが可能です。Waves Enterpriseブロックチェーンは、一般的なネットワーク運用をサポートし、グローバルアービターおよびリファレンスネットワークとして機能するメインネットと、特定のビジネスタスクを実装するために準備、調整できる多数のカスタム独立サイドチェーン(現地の暗号資産標準に従い、法的要件を満たします)で構成されるフラクタルネットワークです。さらに、一部のサイドチェーンは、より高速、より多くの計算量を処理するために最適化でき、他のサイドチェーンまたはメインネットに接続してハイブリッドインフラストラクチャを形成できます。

動作原理

Waves Enterprise メインネットは、マイナーまたはノードの分散ネットワーク(Waves Enterpriseソフトウェアがインストールされたコンピューターの地理的に分散したネットワーク)によってサポートされています。ネットワーク内の各ノードは、データの処理とブロックへの保存に関与します。ネットワーク内の意思決定に影響を与える中央の権限がないため、システムは持続可能で独立したものになります。しかし、最終的な意思決定と組織的作業において問題が生じます。これらの問題は、参加者のグループ内で合意を形成する方法を提供するコンセンサスアルゴリズムを介して対処されます。投票結果は多数派に有利に実施され、少数派は認められませんが、このスキームはネットワーク全体にとって有益な合意を保証します。

Waves Enterprise メインネットは、Leased-Proof-of-Stake(LPoS)コンセンサスアルゴリズムを使用します。LPoSベースのシステムでは、ブロック生成はエネルギーを大量に消費する計算を必要とせず、マイナーの主なタスクはブロックのデジタル署名の作成です。ブロックにデジタル署名する権利を分配するメカニズムは、ノードが保持するWESTトークンの数に基づいています。ノードの残高のトークンが多いほど、ブロックを作成できる可能性が高くなります。

ネットワークへの接続

Waves Enterprise メインネットは、パブリックパーミッションネットワーク(public permissioned network)であり、マイナーはネットワークオペレーターからの許可がある場合にのみ接続できます。さらに、ノードの残高に保持されるWESTトークンの数の最小要件が設けられています(これについては、ライセンスモデルのセクションで詳しく説明します)。このアプローチにより、ユーザーの利益のためにネットワークの参加者を管理できます。

Waves Enterpriseプラットフォームには、ブロックチェーンインフラストラクチャを使用するためのいくつかのオプションがあり、それぞれに固有の機能と利点があります。

Waves Enterpriseインフラストラクチャとの統合

Waves Enterpriseブロックチェーンプラットフォームのパブリック分散型インフラストラクチャと統合することの利点は次のとおりです:

  • 確立されたインフラストラクチャ。ブロックチェーンとITインフラストラクチャのデプロイとメンテナンスに金銭的な支出や時間の浪費がありません;プロジェクトの迅速な開始
  • トレストレスな環境。トランザクションの完全な透明性と公開データ監査の実現性
  • データの制御。パブリックネットワークの参加者は、彼らのデータをパブリックにするか、データへのアクセスを制限するかをコントロール出来ます
  • コミュニティ。エコシステムユーザーの活発で成長しているコミュニティは、分散型アプリケーションやその他のサービスの市場投入をしやすくします

独立したプライベートサイドチェーンの作成

Waves Enterpriseを使用して、限られた数の参加者の独立したブロックチェーンインフラストラクチャを作成することには、いくつかの利点があります。

  • ハイパフォーマンス。コンセンサスアルゴリズムを含む、ブロックチェーンの装備およびオペレ―ションパラメータの構成の選択により、データ処理速度が大幅に向上し、タスクの解決が簡単になります
  • 守秘義務。ユーザーのアクセス、ロール、および権限を集中管理することにより、処理されたデータの機密性を確保できます
  • コンプライアンス。ブロックチェーン上の機密データを処理するための企業および政府の要件への準拠
  • 互換性。ブロックチェーンとあらゆる構成の企業ITシステムとの統合

ハイブリッドインフラストラクチャの作成

Waves Enterprise メインネットと独立したサイドチェーンをベースとしたハイブリッドインフラストラクチャを作成する利点には以下のものがあります:

  • 独立したインフラストラクチャ。ブロックチェーンインフラストラクチャの最高のパフォーマンス、機密性、コンプライアンス、柔軟性
  • リファレンスデータの保存。 Waves Enterprise メインネットにデータハッシュを保存することにより、完全な対障害性インフラストラクチャの作成が容易になり、バックアップデータストレージのセキュアな外形がさらに強化されます。
  • 企業間コラボレーション。保護された通信チャネルや参加者間の信頼を必要とせずに、さまざまな企業と政府機関の情報システム間の安全なデータ交換が可能
  • 幅広い機会。メインネットインフラストラクチャサービスへのシームレスなアクセスにより、独立したネットワークの高い信頼性と幅広い機会を実現

サービス

Waves Enterpriseは、ハイブリッドソリューションのサービスネットワークとして動作します。その分散型インフラストラクチャは、さまざまなデータをプライベートネットワークからメインネットに転送したり、戻したりすることを可能にします。Waves Enterpriseプラットフォームユーザーのネットワークで、アプリやスマートコントラクトのオペレーションでデータ転送が必要になる場合があります。この機能により、外部の開発者やネットワーク参加者など、すべての関係者がインフラストラクチャを使用するシナリオの可能性が大幅に広がります。そして、彼らもネットワーク上でサービスを提供できます。

Waves Enterpriseネットワークによって提供されるサービスは、プラットフォームの経済にとって不可欠な部分です。サービスを呼び出すたびに、WESTトークンで手数料を支払う必要があります。手数料は特定のケースとサービスプロバイダーによって異なりますが、ほとんどのシナリオでは、通常のトランザクション料金0.1 WESTになるでしょう。

Waves Enterprise メインネットのサービスは、暫定的にインフラストラクチャサービスとマーケットプレイスアプリに分類できます。

インフラストラクチャーサービス

インフラストラクチャサービスは、パブリックネットワーク機能によりプライベートネットワークの技術コンポーネントを強化します。それは、多数の参加者にまたがる分散化などで、これにより、攻撃に必要なリソース量が大幅に増加し、ネットワークセキュリティが向上します。
インフラストラクチャサービスは次のとおりです:

  • 2つ以上のネットワークをアンカリングまたは接続して、分散レベルを向上させ、その結果、データストレージのセキュリティを向上させます。技術的な観点から見ると、アンカリングとは、あるネットワークから別のネットワークへのトランザクションハッシュの転送です。ハッシュサムのみが実際に転送されるため、転送されたデータは危険にさらされません。プライベートネットワークデータのハッシュが、より分散されたインフラストラクチャを備えたパブリックブロックチェーンに書き込まれる場合、1つのネットワークだけでデータを置き換えるだけでは十分ではありません;これは、複数のネットワークで行う必要があります。いくつかのサービスは、最も確立されたネットワークとしてビットコインブロックチェーンへのアンカリングを提供します。ただし、元のビットコインネットワークのスループットは1秒あたり7トランザクションであるため、トランザクションの検証に数時間かかる場合があります。当社のソリューションは、プライベートネットワークデータをWaves Enterpriseネットワークにアンカリングすることを特徴としており、トランザクション速度において比類のない利点を提供します。
  • アトミックスワップ。ネットワーク間の価値交換のためのサービス。これは、交換やその他オペレーションのために、あるプライベートネットワークから別のプライベートネットワークへのトークン化されたアセットの転送を可能にします。このテクノロジーは、ある会社から別の会社にデータを転送する場合にのみ使用できます。
  • データオラクル。メインネットを介して外部情報システムからプライベートネットワークにデータを転送するためのサービス。スマートコントラクトスクリプトはブロックチェーンインフラストラクチャの外部のソースから直接データを取得できないため、このサービスは不可欠です。信頼できる最新の情報を備えたデータオラクルが利用できるようになると、スマートコントラクトのユースケースの範囲が大幅に広がります。

アプリケーションマーケットプレイス

Waves Enterprise メインネットは、Waves Enterpriseチームと外部開発者によって作成されたアプリケーションのマーケットプレイスを構想しています。アプリは、特定のオペレーションのためにエンタープライズサイドチェーンにデータを提供することから、Waves Enterpriseエコシステム外のユーザー向けのSaaSサービスを開始することまで、さまざまなタスクを実行できます。サービスアプリの使用例は非常に多様です:認可および認証センター、KYCサービス、オンライン投票の組織、知的財産権に関する情報の取得などです。

マーケットプレイスは、2020年Q4に立ち上げが予定されています。

ライセンスモデル

Waves Enterpriseテクノロジーは商業用です。主に、ソフトウェアライセンス方式の下での大企業および州機関を対象としています。ライセンスにより利用できるソフトウェアには、次のコンポーネントが含まれます:

  • WE ノードモジュール (WE Node module)
  • WE データサービスモジュール (WE Data Service module)
  • WE コーポレートクライアントモジュール (WE Corporate Client module)
  • WE 認可サービスモジュール (WE Authorization Service module)

ソフトウェアを使用してWaves Enterpriseインフラストラクチャに接続するには、ライセンスの購入またはレンタルが必要です。

いくつかのタイプのライセンスが利用可能です:

  • トライアルライセンスにより、ユーザーはプラットフォームとテクノロジーをテストできます。
  • 商用ライセンスは、商用プロジェクトで、プライベートおよびハイブリッドネットワークテクノロジーの使用を許可します。
  • 非営利ライセンスは、非営利プロジェクトで、プライベートネットワークおよびハイブリッドネットワークテクノロジーの使用を許可します。
  • 特別ライセンスは、メインネット上でのみテクノロジーの使用を許可します。

有効なトライアル、商用、非商用ライセンスでも、Waves Enterpriseメインネットを使用できます。

新しく作成されたプライベートネットワークは、ブロック高さ30,000に達するまで、ライセンスなしでテストモードで動作できます。これはおおよそ2週間に相当します。その後、オペレーションを継続するにはライセンスを購入する必要があります。

有効期間に基づいて、ライセンスタイプには次のものがあります:

  • 制限なし (Indefinite)
  • 2年 (Two-year)
  • 1年 (One-year)
  • 3ヶ月 (Three-month) (トライアルライセンス)
  • テクノロジー使用期間中のレンタル (Rental for the period of use of the technology)

ライセンスが期限切れになると、ライセンスを購入したノードはブロックを生成したり、ネットワークに新しいトランザクションを書き込んだりできなくなります。

ライセンスはWESTトークンでも購入できます。

メインネットライセンス

このタイプのライセンスを使用すると、所有者はノードをWaves Enterprise メインネットに接続し、パブリックパーミッションネットワーク(public permissioned network)であらゆるタイプのプロジェクトを作成するためにテクノロジーを利用できます。

ライセンスは、ノードをネットワークに接続するときにネットワークオペレータによって発行されます。このタイプのライセンスの申請は、テクニカルサポートにお問い合わせください。メインネットライセンスは、ノードのバランス(リーストークンを含む)に最低限必要なWESTが含まれている限り、無期限に有効です。バランスが最低限必要な量を下回ると、ノードはネットワークから切断されます。

トークンはネットワークオペレーターに転送されず、所有者が所有します。所有者は、ノードがメインネットから切断されると、自由にトークンを使用できます。

レンタルライセンス

バージョン1.3以降、Waves Enterpriseはライセンスをレンタルする機会を提供します。レンタルライセンスは商用と見なされ、プライベートネットワークおよびハイブリッドネットワークでプラットフォームを使用できます。ライセンスを取得するには、ユーザーはサポートサービスにリクエストを送信する必要があります。

トークンはネットワークオペレーターに転送されず、所有者が所有します。所有者は、ノードがメインネットから切断されると、自由にトークンを使用できます。

ノードをWaves Enterprise メインネットに接続したり、ライセンスをレンタルするために必要な最小トークンバランスは、その時のWESTトークンの取引レートに基づいて修正される場合があります。

Waves Enterprise エコノミクス

WESTトークン

Waves Enterpriseプラットフォームの経済は、総供給量が400,000,000 WESTのユーティリティトークンであるWaves Enterprise System Token(WEST)に基づいています。トークンは、ネットワーク参加者の経済的インセンティブとして、およびネットワーク参加者間のトランザクションの支払い手段として、プラットフォームのメインネットで合意形成プロセスで使用されます。

プラットフォームのメインネット上の各トランザクションにおいて、WESTトークンで手数料が請求されます。さらに、Waves Enterprise メインネットに接続するには、インフラストラクチャの使用に関心がある企業は、(ライセンスタイプに基づいて)一定量のトークンを購入し、ネットワーク使用期間全体にわたって保持する必要があります。WESTは、Waves Enterpriseのシステムインテグレーターが提供するサポートおよびメンテナンスサービスの支払いにも使用されます。したがって、Waves Enterprise メインネットの立ち上げ以降、WESTトークンの需要は旺盛です。このモデルは、技術的な観点からだけでなく、マーケティング上の考慮事項にも適応します。

WESTトークンは、次のトランザクションに必要です:

  • ネットワーク上のスマートコントラクトの呼び出し、転送トランザクション、データストレージのための手数料支払い
  • サービス料の支払い
  • プラットフォームライセンスの購入とレンタル
  • パッシブインカムのためのトークンリース

WESTトークンは、暗号通貨取引所 Waves.ExchangeおよびTIDEXで購入できます。将来、トークンは他の取引所にもリストされる予定です。

マーケットプレイスでのトークンの役割

WESTトークンは、Waves Enterpriseアプリマーケットプレイスで行われた購入の支払い手段として使用されます。無料アプリと有料アプリが利用可能になります。無料アプリの場合、アプリ内の特定のアクションには料金の支払いが必要になる場合があります。価格およびその他の支払い条件は、アプリのサプライヤーによって設定されます。

投資機会

Waves Enterpriseプラットフォームの経済モデルには、リーススキームの下で、ユーザーがWESTトークンを所有して収入を得ることができるツールが含まれています。

WESTトークン所有者は、ネットワーク維持に参加しているネットワークオペレーターのノードにトークンをリースすることにより、パッシブインカムを得ることができます。リースされたトークンの量に基づいて、所有者は、ネットワーク上のトランザクション手数料からノードが受け取る収入の一部を得ることができます。

リースWESTトークンからの毎月のパッシブインカムは、次の式を使用して計算できます。

Income = (Number of leased tokens/Total generating balance) * (Number of transaction per month) * (WEST Price)

リースプログラムの立ち上げは、2020年Q2に予定されています。

プラットフォーム開発のロードマップ

Waves Enterprize メインネットロードマップ

ブロックチェーンソリューションの需要

企業および公共部門からのブロックチェーンベースのソリューションに対する需要は高いです。このようなソリューションの採用プロセスが比較的遅い原因は、主に不十分な認識と、以前のテクノロジーが直面した技術的な問題によって説明できます。

しかし、状況は変化しています。Waves Enterpriseなどの企業は、より高速で信頼性の高い安全なソリューションを提供しています。同時に、ますます多くの企業が分散型台帳技術がもたらす利点を認識し、それらをビジネスプロセスに取り入れ始めています。

2019年に、企業の53%は、ブロックチェーンテクノロジーが組織の重要な優先事項になったと言っています – 昨年(2018年)から10ポイント増加

Deloitteによる2019年のグローバルブロックチェーン調査

ブロックチェーンソリューションを採用または実験している主要企業には、Samsung、FedEx、IBM、Carrefour、Royal Dutch Shell、Bank of America、Daimlerなどがあります。

結論

ブロックチェーンテクノロジー、特にWaves Enterpriseは、ビジネスプロセスのデジタル化に向けた道を歩む企業に新たな機会をもたらしています。プラットフォームの技術開発に対する当社のアプローチは、データプライバシーや不変性、ネットワークの高スループット、機器の汎用性など、企業部門のITシステム要件に基づいています。プライベートおよびパブリックパーミッションブロックチェーンアプローチの組み合わせにより、データにアクセスできるユーザーのリストをファインチューニングするオプションを使用して、ネットワーク参加者間のやり取りのまったく新しいモデルを促進します。

WESTトークンに基づくプラットフォームの経済モデルは、ネットワークの持続可能性をサポートするだけでなく、サービスやその他のツールへのアクセスの観点から参加者に平等な機会を提供し、外部開発者がWaves Enterpriseユーザーにサービスを提供する動機付けも提供します。